観た

はてなキーワード相対性理論」から漂着した、または検索で辿り着いた皆様こんにちわ。昨日の感想を書こう。


ナカゴー『自転車の盗難』(王子小劇場
長嶋有さんの元教え子さんが作・演出をされているそうで、枡野さんに誘われて観た。いい意味でヘンな役者ばかりだし、笑いのセンスも独特で、既視感があるようでない……が、長い! 実際の上演時間ではなく、体感時間の問題だけど。ただ、どうしても入れたかったエピソードがたくさんあったので長いと言われてもいいんです、ひとつも削りたくなかったんです、という強い意志と覚悟で書いているのなら、そんなこと言われても気にせずどんどん長くすればいいと思う。それを長く感じるかはお客さんの好みもあるのだから。ともあれ、のびしろがまだまだある気がします。未知の才能に出会えてよかった。


OUTONEDISC PRESENTS「FUCK AND THE TOWN」 Shibuya O-WEST
岸野雄一さん主宰の恒例の投げ銭ライヴ。いやーよかった。すごくよかったです。観終わったあとで、観る前と違う自分になれるような。観た後で、自分も何かしなくちゃと思うような、そんなイヴェント。料金システムから出演者、出演順、そして岸野さんのステージ、すべてが正しく批評であった。批評って文章だけじゃないんだよ、という当たり前の事実を岸野さんや出演者が身を持って示していた。批評という言葉が堅苦しいなら、提案、といってもいいだろう。既存のシステムに対する建設的な代替案の提示。
相対性理論目当ての客は相対性終わったら帰るかも、という声もあったが、そんなことは全然なかったっぽく、そのあとフロアをジャックしたDJ七尾旅人に完全に魅入っていた。すごいなシンギンDJ七尾旅人リー・ペリーとプリンスとアーサー・ラッセルが憑依していたよ、まじで。江戸アケミのメッセージをあんな風に伝えるなんて、もう感涙ものだ。ワッツタワーズは、岸野さんのちょっと皮肉めいた歌詞がバカラックばりに親しみやすいメロディで中和されて、みんなの歌、になっていた。ウリチパン郡はアルバムも最高だったけど演奏力が抜群でライヴはもっと良かったな。
ワッツタワーズのステージを観ると分かると思うけど、あのイベントを観てすべきことは、たぶんブログやミクシィ日記に詳細な感想を記すことではない、というかそれだけではない。とか言って結構書いてしまったが。さて、あのイベントを観てあなたはどうします?と問われているようであった。