1万字でも語りきれないくらいだが、あとはちゃんと皆がついてきてくれるように工夫と努力をできるかどうか。

長嶋有さんがブルボン小林名義で作っている個人誌のコンテンツを見たんですけど。5万字インタビューに2万字対談!? すごい。やるなー。文字ギチギチ問題で揺れる(?)『エクス・ポ』もそうだけど、このくらい過剰に情報を詰っこみたくなる気持ちはすごく分かるし、もうやれるところまでやってやろう的な気概もひしひしと感じる。ていうか、単純にすんごいかっこいいと思う。限界に挑戦する、いや、限界や臨界点を突破してブレイクスルーしようという姿勢が。
もちろん分量が多ければいいってわけじゃないのは言わずもがな。というよりむしろ、多ければ多いほどどうやってするっと読ませるかを苦心惨憺しないとダメなわけで、この辺の人たちはそこのところを考え抜いているし、そのための労力をちっとも惜しんでいない気がする。それに、読者を信じてる。あるいは、こんだけ本気出すんだからちゃんとついてきてくれ、という祈りに近いかもしれない。読者もそれにノれるだけの文化的基礎体力が要求される。だから鍛えないとダメなんですよ。もう、常に読者養成ギブスつけて歩くくらいじゃないとダメなのかもしれない。

先ごろ吉田アミさんとポツドールに関する1万字対談というのをやりまして。寝ずに資料に目を通して、コンセプトを考えて、ちゃんと最後まで読んでもらえるよう修正に修正を重ね、完成したものを見ておー!これは新しいかもっとやや悦に入っていたんですけど(どこに載るかはまもなく発表します)、こりゃーまだまだやりようがあるというか、あれで満足してるようじゃダメだなーと。

無論、もっと文字数増やすぞーとか、そういうことじゃなくて。なんだろう、過剰なパッションや暴走する想いや既存の商業誌からあぶれてしまう何かを、侠雑物を濾過してどれだけ純度の高いものとして誌面に反映できるか、ということ、かな。読者におもねるのではなく、熱をがーっと放出してそれがちゃんと跳ね返ってくるような構造を、(経済や流通の問題も含めて)構築すること。が、今求められていると思うのですけど、どうでしょう。まあ、結局これって、アミさんがここんところ繰り返し書いている受け手と送り手の関係の問題なんですよね。とにかく、現時点での限界を知ることで、おもしろくできる余地がまだまだあるってことが見えてくる。いちから出直しの気分で頑張ろうと思います。あ、でもその前に健康にならないとね。本当に体は大事ですよ。頑張るけど無理はしません。できないことはできないと言います。じゃないと迷惑かけるし、逆に反動で真っ白になる時がくることを、経験的に知っているから。躁は鬱の前兆だから。

……というようなこと(と、全然関係ないことを)もうそろそろ書店に並ぶはずの『エクス・ポ』で話した。というか、相談に乗ってもらいました。「アミ&まみのお悩み相談室」というコーナー。だいぶ脚色されているのはまあいいとして、佐々木敦さんに「自分の今の最大の悩みは、執筆者としてじゃなく、相談者としてここに呼ばれたことですよ!!」と叫んだ部分はカットされてますね。っていうか僕もまだ読んでないんですけどね、最新号。とりあえず仕事ぜんぶ終わらせないと、だ。


http://www.bonkoba.jp/star/index.html



しっかし、期間限定とはいえ、ここまでポツドールのことだけ考えて生きていた人間もあまりいないのではないか。だって、電車に乗っていて、他人の会話がぜんぶポツドールに聞こえて、あの役者だったらこう言うなと無意識に考えてしまったり、夢に三浦大輔が出てきたり、携帯メールに「ポ」って打つとポツドールって変換されるくらいでしたからね。

ポツドール観ないと人生損するよ!といい続けます。過去の公演のダイジェスト↓。いまとはだいぶ作風が違うけど。

http://www.youtube.com/watch?v=R6Vsa4io66o&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=cvinpzfK_mg&feature=related