本谷有希子、前田司郎が「また」、魅しましょう(←もう何度やってもこの変換、むかつく!!)、じゃなくて三島賞候補に。

今朝、中村さんから携帯に速報メール。新潮社のサイトも見たけど、まだネットには情報出てないっぽい。本谷が三度目、前田は二度目のノミネートか。

前田司郎は妥当、と思いたい。『誰かが手を〜』ですよね? 実はこれだけまだ買って読めてないので、断言はできないけど、まー、極端なハズレも作風の変化もないと思う。獲ってほしい。

で、なんで今本谷さん? これで新潮の1月号に載った『グ、ア、ム』だったらもうあからさまに政治ですよってことで分かりやすすぎやしない?と思ったら、さすがに新潮社もそんなことはしておらず、というかもっともっと意外な作品。『遭難、』って……、これ戯曲じゃん! 上演台本ってありだったんだ、三島賞。し、しらなんだ。

しかし、ちょうど舞台のDVDが出るタイミングでのノミネートというのも……、というのは穿ちすぎか。今台本をぱらぱらめくってみたけど、確かに、役者の力量とか舞台装置の出来、演出の妙などに左右される部分が少ないから、脚本ベースの作品ではありますね(円形劇場で観た舞台はとてもよかった)。でも、『生きてるだけで、愛』がダメでこれでとっちゃったら、『生きてる…』を殊更偏愛している自分にとっては、ちょっと複雑……。ったく、屈折したファン心理だよな!

ちなみに、今年単行本になった『ほんたにちゃん』と『乱暴と待機』は掛け値なしの傑作。どちらも、実質的な小説デビュー作『江里子と絶対』の頃の剣呑さが戻っていて、一週戻って原点に回帰した(しかし、着実に進化はしている)というかんじ。でも、版元がなー。賞が獲れるところじゃないんですよ、残念ながら。いや、版元関係なく何かあげるべき作品なんだけど、ふたつとも。

あと、今出ている『デジモノステーション』(ソニーマガジンズ)という雑誌に、『ほんたにちゃん』のブックレビューを書きました。こういう、ほとんどの読者が対象に関する知識がないだろう媒体で好きなものを紹介する仕事は、すごく好き。マニアックな音楽も、実はもっと一般誌とか新聞で書きたいんですよ。最近、団塊世代向けの雑誌にマイルスのこと書いたりしていて、それが音楽誌とは違う意味でやりがいあったので。



遭難、

遭難、