観た

童貞。をプロデュース』/松江哲明監督


しんゆり映画祭のおかげでようやく観ることができた。しかもちゃんとスクリーンで。期待値高めだったので不安もあったけど、とてもいい作品だった。あとから場面場面をつぶさに思い出して沁みてくるタイプの映画。拾ってきたエロ本を乾かす場面がとても詩的で泣けたし、それを夢中でスクラップする梅ちゃんは輝いていた。みうらじゅんみたいで。諦めているとか、なげやりになっている、いうのとは似ているようで全然違う。ただただ現状を、あるがままを受け入れている彼の生き方は、なんだかやけにかっこいい。サブカル知識が豊富にあって自主映画を作ってるのに、その手の若者にありがちな肥大した自意識が感じられないのも、好感度大。梅ちゃんがんばれ!
構成的には、ほぼドキュメンタリーの部分と、演技・演出をかっちり決めてやっている部分が入り混じっているんだろう。雨の中でエロ本収集、というシチュエーションも叙情性をかもし出すための演出だったのかもしれないし、AVでのカラミを頑なに拒否する童貞君の所作も演技っぽいけど、それも含めておもしろかった。新年会のあとにサッカーやるシーンとか、男子的にはたまらん。あー、あるある、ってかんじ。
客もまばらな小さな劇場にて、町田会の野郎3名+サブカルセレブで鑑賞。そのまま駅前でしんゆり名物のカレー食べて、魚民であーだこーだ深夜まで。